プルーフ・オブ・ライフ 00年・米 ★★
監督:テイラー・ハックフォード
出演:ラッセル・クロウ、メグ・ライアン他
夫を誘拐された妻と、その妻に雇われた誘拐交渉人。極限状態の中で、愛し合ってはいけない二人が、恋に落ちる・・・。共演を機に熱愛が報道されたメグ・ライアンとラッセル・クロウ。いま最もホットなふたりが、南米を舞台に切ない恋と危険な冒険を繰り広げる。監督は『愛と青春の旅立ち』のテイラー・ハックフォード

本作品のキャンペーンのために来日したメグ・ライアンは、「ラッセル・クロウはとても愛しい人」と日本のマスコミを前にして開口一番言い放ったという。ハリウッドでは珍しいおしどり夫婦だったメグ・ライアンとデニス・クエイド夫妻も、本作品で出会ったラッセル・クロウの出現で、完全な亀裂が入った。二人の関係はメグの不倫状態で始まったために、スキャンダルとして取り上げられた。(後日談。メグ・ライアンとデニス・クエイドの離婚は、ラッセル・クロウとの出会い以前に話が進んでいたらしい。ほんとかな。いずれにしても、メグとクロウの恋愛も終わったとのこと)
映画そのものよりも、何だかメグ・ライアンとラッセル・クロウの恋が先行したが、さて、この作品は南米エクアドルにロケを敢行し、反政府ゲリラによって誘拐された現地駐在のエンジニア、ピーターの妻アリスと、誘拐交渉人テリーが組み、人質解放への闘いと、ふたりに芽生える恋心を軸にしたストーリーである。中南米では現地駐在の外国人ビジネスマンの身代金目的誘拐事件は報道以上に多いことで、犯人側と交渉する専門の会社(身代金交渉だけではなく、人質の家族たちに心のケアをするという)も実際にあるのだ!身代金は会社の保険から支払われるが、このストーリーでは、ピーター(デイビッド・モース)の所属する石油会社のリストラ策として誘拐関係の保険が解約され、テリー(ラッセル・クロウ)の組織との契約も切れていた。誘拐という一大事も国際ビジネスの一端として処理されるのが事実だ。しかし、テリーは損得勘定を捨ててアリスに協力する。
中南米の駐在外国人ビジネスマン誘拐と、その身代金交渉を映画化したのは斬新な試みだと思う。

アリスとテリーに芽生える恋の描き方は、重要なラブシーンをカットした(DVDの特典映像にぜひ載せて欲しいだ)ことで、どう受け取っていいのかわからなくなる。「夫の生還を信じて待つ」んだかテリーに気持ちが傾いているんだか、まあそのあたりの中途半端なグラグラ感を出す効果があるとも言える。

エンドクレジットのバックに流れるエクアドル市街の空撮がまっことに美しい!ちょっと行きたくなってしまう。

ラッセル・クロウがとにかくカッコイイので、ファンは絶対に大感激間違いなし。『グラディエーター』に続き、日本での知名度やファンもぐんと増えると思う。ラッセル・クロウはものすごくいい役者だ。この人が出ると、サスペンス映画に重みが出る。私は苦手なタイプですが、いや、本当に逸材だと思う。


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