恋はハッケヨイ! |
00年・英★★ |
監督・脚本:イモジェン・キンメル
出演:シャーロット・ブリテン、リー・ロス、アネット・バッドランド他 |
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イギリスからSOMOガールズがやってきた!英国映画界からやってきた快作【ストーリー】ある日、夫の失業が発覚し、妻のデイジーは健気にも町の缶詰向上で働く決心をした。女ばかりの従業員たちの中でひときわ幅をきかせているのは、ミョーに体格のいい一団。デイジーの素質を見抜いた工場長は、彼女をとある場所へと案内した。そこでは和服に身を包んだ女性たちが巨体をゆすりながら奇妙な体操を行っていた!秘密のSUMO組織に踏み込んだデイジーの、恋の行方や如何に?(チラシより) |

女相撲を描いた異色のイギリス映画。注目したいのは、「イギリス人のちょっと勘違い入った東洋趣味」。まずは相撲クラブの練習ぶりが愉快。池に身を沈めてハダカになって自己を解放したり、身体の鍛錬よりは、ヨガっぽい精神論が相撲に取り込まれている。相撲の試合の時は、なぜか「おかめ」風(つうか、バカ殿)の白塗りメークをするあたりも笑える。相撲と禅とヨガとゲイシャをごっちゃにしているようなフシがあるものの、西洋人的「摩訶不思議で憧れの国、日本」のイメージが素朴に出ていて、しかも悪意がまったくないので、観ていて楽しい。練習場に居酒屋のおしながきのように日本語で書かれたフダが吊るされているが、これ、要注目!たぶん力士のシコ名だと思うけど、これがめっぽうヘンなのだ。「大きな白いオクラ」「大きなセイウチ」「モンスーン」・・・・何だ?「大きな白いオクラ」ってのは。原作のシコ名があまりにもアホらしいと思ったのか知らないが、日本上映に際しては吉本興業の藤井隆クンがシコ名を監修しました。「イカ桜」「舞乃カバ」「パピヨン岬」「海女乃セイウチ」・・・どっちもどっち?
相撲クラブのことは家族にも極秘。デイジーは愛する夫に黙って練習を重ねていく。妻の奇怪な行動を、SFオカルトマニアの夫は、エイリアンに身体を侵され始めているためだと思い込み、その激しい妄想と尾行ぶりが、やたら可笑しい。この人、リー・ロスという若手役者で『チューブ・テイルズ』に出演している。ウン、ジュード・ロウやユアン・マクレガーに続く実力派若手ブリテンアクターという感じがする。
太っていることにコンプレックスを持っていたデイジーは、相撲との出会いによって自信を取り戻していくが、この太っちょ女優シャーロット・ブリテンが実に「太め美人」の典型。ちょっと『タイタニック』のケイト・ウィンスレット入ってる。ケイトもちょっと気を抜くと激太りしちゃうらしい・・・。しかし、太っていても自分らしく輝いている女性は魅力的なのだ!というメッセージの作品に生き生きとした彩りを添えている。
ただし、コメディ作品らしい笑える場面やジョークをもっと散りばめてほしかったなと思う次第。
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