ジュエルに気をつけろ! |
01・米★★ |
監督:ハラルド・ズワルト
出演:リヴ・タイラー、マット・ディロン、マイケル・ダグラス他 |
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『アルマゲドン』『クッキー・フォーチュン』などで清純な魅力を見せたリヴ・タイラーが、数多くの男を手玉に取って、騒動を巻き起こしていくブラック・ラブ・コメディ。製作はマイケル・ダグラスだが、愉快な役で登場することにも注目! |
リヴ・タイラーがお好きな方には大満足でしょう。肌の露出が多く、胸を強調したセクシーなコスチュームで大サービス。男なら誰もがフラフラと惹かれてしまう、魅力的な女性ジュエル。彼女の夢はただひとつ。「理想の家を持つこと」!雑誌からお気に入りのグラビアをスクラップしては夢をふくらませ、夢を実現するためにはどんなことだってしてしまう。自分の魅力を知り抜いているジュエルは、「持ち家の男」たちを狙っては、チャーミングな罠にはめてゆく。
この作品は、彼女に手玉にとられ、事件にまきこまれていった3人の男たちが、彼女について証言をすすめるという形で物語が進んでいく。それぞれの思い出の中のジュエルは、「最初会ったときの彼女は、ハダカ同然の服で・・・・いや、ホットパンツだったかな」「死んだ妻が甦ったのかと思った」・・・何にしても、ジュエルがあまりも魅力的だったということを、思い入れたっぷりに語っていく。回想シーンの中でのジュエルは過剰にセクシー。胸を強調させたセクシーな服を着て、クルマと戯れるように全身を泡だらけの洗車シーンなど、わっかりやすいアメリカン・セクシーなジュエルがいっぱい。男たちが語るところのジュエル像はどれもバラバラで、彼女の実態がどんどんおぼろになっていくあたりがおかしい。
この、実態がつかみがたい、何考えているんだかわからないキャラクター、ジュエルに、リヴ・タイラーが実にうまくはまっていると思う。リヴ・タイラーはどの作品でも演技が素直。なんと言うか、あまりモノを複雑に考えたり役柄を深く追求したりせずに、ごくごくあっさりと演技をするようだ。『オネーギンの恋文』のように、ただ立ちずさんでいるだけで凛とした雰囲気をかもし出すことができるし。リヴ・タイラーには天性の透明感と存在感がある。だから、どんなにあくどいことに手を染めていても、純粋なものを失わない、つかみどころがなくて、男の夢の中でだけで存在しているような、不思議な魅力をたたえたジュエルをさらりと作り上げている。
コメディとしては、これといって光るものを感じなかった。ただ、マイケル・ダグラスが、リーゼントのヅラをつけたビンゴゲーム好きのチープな殺し屋を思いっきり楽しげに演じていたのが、いつものエグゼクティブなマイケル・ダグラスのイメージを払拭するようでメチャメチャ愉快です。
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