5/23(日)→マドリッド(トレド・アランフェス)
マドリッドの朝ごはん
目が覚めたら、マドリッド・チャマルティン駅。まずは朝食でもとりますか。スペイン人の食事は一日に5回ほどちょこちょこ取る。軽い朝食として好まれているのが、チューロという揚げパン。これをチョコラーテ(ココアよりも濃い目のチョコレートドリンク)やカフェオレに浸しながら食べるのです。私はこれに憧れていて、早速駅構内のカフェテリアに直行。チョコラーテとチューロを注文。チューロは細いU字型で、5コ皿に盛られている。そしてチョコラーテはトロみがついていて、まるでチョコ味の葛湯です(コクもバッチリ!)。これにチューロをくぐらせてカリっと食べると、これがもうヤミツキになるぐらい美味しい!地元の人たちもチューロ&チョコラーテで軽く食べている。外国人旅行者はコーヒーとクロワッサンなんか食べてるけど、わかってないなあ、スペインの朝はチューロだよ。美味しい朝食ですっかりご機嫌になり、いい一日になるだろうと勝手に確信する。
今夜はいよいよヤマちゃんと合流する。タフなヤマちゃんはロシア乗り継ぎのアエロフロート航空に乗ってマドリッドに今夜着く。初日は疲れているだろーと、マドリッド・アトーチャ駅前の二つ星ホテルに予約を入れておいた。まずはホテル「メディオディア」に行こうと、チャマルティン駅からアトーチャ駅に移動だ。だいたい15分で着く国電だけど、これが面白かった。スペイン人は議論好きとは聞いていたけれど、電車の中で隣り合わせたアカの他人と、「いいお天気で」と挨拶したかと思ったら、「ところでアレはどうなんですかねえ」「あ、ソレは私の意見では」「ちょっと待った!私も参加」と、いきなり大勢で議論しだすのだ。しかも外国人の私をも巻き込んでくる。「スペイン語話せるかい、日本人」「ノーです」「そーか、そりゃ残念だ。とりあえずここでワシらの会話を聞いていなさい」と言い、皆して大声でワイワイしゃべりだす。それを車輌のあちこちでグループ作ってやってるのだ。これは楽しい!日本にこういう風習があったら、さぞ楽しいだろうて。
マドリッド・アトーチャ駅は構内に熱帯植物園があり、とてもモダンでステキな駅である。駅前のホテル・メディオディアにチェック・インしようとしたら、まだ朝なもんで部屋が空いていないと。もうまる二日風呂ナシだからちょっとさっぱりしたかった。とりあえず荷物を預けて、近郊のトレドへ行くことにする。スペインの国鉄「レンフェ」はなかなかオシャレな車輌だ。ブルーのシートにオレンジのカバーがいいセンス。車窓から見えるカスティーリャ地方の景色は、広くて乾いていて、力強さとどこか悲しさをたたえています。ゆらゆらとゆれる真っ赤なアマポーラの花の群れが、笑うように咲いています。空はどこまでも青く、なんだか泣きたくなってくる。トレドへは1時間くらいで着くが、その途中にアランフェスがある。駅前はまるで中世の御伽噺のような緑の森の世界。あまりにもステキなので、白人旅行者が思わず飛び降りちゃった。私も帰りに寄ろう!
トレドで初パエリヤ
トレドは三方をタホ川に囲まれ、中世のおもむきをそのまま残した美しい街。駅がまた美しいので必見です。城壁に囲まれた旧市街の奥深いことといったら!道が入り組んでいて迷子になりそう。私なんか絶対に危ない。なるべくカテドラルを目印にして、歩く。カテドラルはフランス・ゴシック様式の大寺院で、芸術性の高さは相当のもの。ちょうど日曜のミサをやっている所でした。こういう所は敬虔な信仰者の集う神聖な場なので、静かに見学させてもらいました。グレコの家にも行こうとするが、なんせ道が入り組んでいて地図も役に立たない。なるべく危険を避けて、とりあえずお腹が空いたので、適当に空いているレストランに入ってパエリアを注文する。・・・と、注文してから自分でびっくり。よくまあ外国の食べ物屋に一人で入っているよ、あたしゃ。ありがたいことに西洋人とは、他の客をジロジロ見たりせず自分たちだけで楽しむことに専念してくれる。それに観光地だから、一人旅の外国人がゴハン食べるのはそう珍しくない。何だか、東京で食べ物屋に入るよりも気楽に思えてきた。パエリア・ミクスタータ(ミックスパエリア)のできたてアツアツが、じゅくじゅくいいながらやってくる。チキンにムール貝にイカに海老、見たことのない味の濃いキノコ・・・と盛りだくさん!これにレモンをしぼって食べるんだけど、美味しい〜!米好きの日本人にはたまらないです。
トレド駅へ戻ろうとバスに乗るが、このバスでいいのかどうか迷っていたら、『こち亀』の両さんをもっと太らせたようなスペイン人ビジネスマン風おじさんが親切に教えてくれた。あちらは英語ダメ、私はスペイン語ダメだけど、そこはさすがラテン系。おかまいなしに一方的に話し、駅までついてきて、しまいには「ボニート♪(カワイイね〜)」と言って、ほっぺにチューしてきた。「スペイン人はやたらチューしてくることイタリア人以上」と聞いているが、やはり面食らった。それよりも「風呂入っていないから、私クサくなかったかなあ」と気の毒だった。
アランフェス
アランフェス・・・協奏曲の。駅から宮殿に向かう道はプラタナスが覆い茂る緑に囲まれ、それはそれは美しい町です。宮殿があって、庭が散策コースになっている。雲ひとつない晴天の、素晴らしい季節の素晴らしい日に来れた幸運をかみしめながら歩く。夜にはお祭りがあるようで、移動式の遊園地が来ていた。それがとてもロマンチックに見えた。
ヤマちゃんと再会
ホテルに戻り、チェック・イン。スペインはあまり英語教育をしない国なので、旅行者はちょっと苦労するが、ホテルには英語を使える従業員がだいたいいる(安宿にはいなかったりする)。フロントに「私はホセ・アントニオ、あなたの友達だ。困ったことがあったらホセを呼んで!」と妙にフレンドリーな山城新伍みたいなおじさんがいた。アントニオ・・・バンデラス?などと思いながら、部屋へ。これが「わ〜いっ!」と小躍りしたくなるぐらい広くてキレイ。スペインは全体的にホテルが安いのが嬉しい。ここだってツインで6000円ぐらいかなあ。とりあえずお風呂だ!三日ぶんの垢がでまくってコワかった。洗濯をし、部屋でテレビを見ながら過ごす。
夜12時をまわろうとする頃、ヤマちゃんが到着。「いやいやいや〜、空港のリムジンバスを降りた辺りって、超危険地帯らしいから、急いでタクシーに乗ったんだけど、どーもボラれたらしいや」といきなりおっかないことを言う。それにしてもヤマちゃんのいでたちがすごい。東京での彼女は、パリッとスーツを着こなす美人キャリア・ウーマンである。しかし、本職(?)の旅スタイルのヤマちゃんは、まるで別人だ。Tシャツの上に戦場カメラマンのようなポケットがいっぱいついたジャケットを羽織り、スボンもこれまたでっかいポケットのついたカーゴ・パンツ。スッピンに眼鏡をかけ、眼鏡には安全ヒモがついている。ニュージーランドでガイドとして働いていた時に購入したというバック・パックは人間が入るくらいの大きさだ。これで3ヶ月間の旅をするという。「これウチの父から。護身用にどーぞって」と手渡されたのは、クギなどで作られたお父様手作りの「武器」である。「これをいつもポケットに忍ばせて、襲われた時にこれで急所を突き刺すんだよ〜」・・・ありがとう、ヤマちゃんのパパ。「それはそーと、ハイ、写しますよ〜。『ハイッ、ワタシは今、ぱんにゃと再会しました〜。お元気ですか〜ッ』」ビデオカメラまで持ってきているのだ。さらに旅慣れている彼女は「ドライヤーとアイロンが一体になったもの」や、無印良品のスモモなどお菓子を沢山を持ってきている。気前よくお菓子を分けてくれた。さすがヤマちゃん、心強い!しかし、また明日からは別々の道をゆく。彼女は会社が持つホテルのあるマラガへ、私はひとまずグラナダへ行く。5日後にバレンシアの駅で落ち合うことを約束し、ヤマちゃんの持ってきた目覚まし時計に安心して眠る。
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