6/7(月)ウィーン
ウィーンでまったり
グロリエッテ
心地よい眠りから覚め、宿の食堂で朝食をとる。パンはゼンメルという丸いパン。これはドイツのパンで、どっしりみっちり質実剛健な味わいが美味しい。これはちぎって食べずに、ナイフで楯にざくざく切って、バターやはちみつを塗ったりチーズを挟んだりしてぱくっとやるのがきまり。食堂には一人旅の東洋人の女の子が。どちらともなく話し掛ける。台湾から来たという彼女は英語がおじょうず。「ウィーンの南駅のインフォメーションでここを紹介されたの。日本人の女の子がここを勧めていたって言ってたけど、もしかしてあなたのこと?」
さあ、今日はシェーンブルン宮殿、プラーター遊園地へ行こう。ウィーンの朝はひんやりと涼しい。トラムと地下鉄を乗り継いで、シェーンブルン宮殿へ。ここはマリア・テレジア、マリー・アントワネット、エリザベート女王と歴史に輝く女性たちゆかりの宮殿。日本語の説明書が無料でもグロリエッテからの眺めらえるので、読みながらゆっくり廻る。ベルサイユ宮殿のような華やかさはないものの、上品なオーストリア風のたたずまいがとても気に入った。宮殿の高台にあるグロリエッテ(多くの戦いで死んでいっ臣下のことを忘れないためにと作られた)に向かう。こ・これが近くに見えるのに思ったよりも遠く、宮殿から歩いて20分ほど。途中ネプチューンの泉があるが、工事中で水を抜いていてがっかり。しかし、グロリエッテから眺めるウィーンの街の景色は素晴らしい。遠くにシュテファン寺院が見える・・・。グロリエッテの中にカフェがあるので昼食にまたグーラシュを食べる。ここのグーラシュは美味しいとの評判通り、こってりとしたビーフシチュー風で美味しかった。ビーフもたっぷりで嬉しい。お年寄りは相変わらず昼食後に大きなケーキを食べている。

あこがれのプラーター遊園地プラーター遊園地の大観覧車
プラーター遊園地へ。ここの観覧車が観たかった!名画『第三の男』で、オーソン・ウェルズがこの観覧車を背にたたずむモノクロームのシーンが心に焼き付いている。世界最古にして現役の観覧車。ウィーンの中心地からプラーターまでは地下鉄でそう遠くない距離にある。地下鉄を下りるなり私を迎えてくれた、あの大観覧車が青空にぽっかりと浮かぶさまはとても美しく、感激してしまった。森の中に作られたプラーター遊園地は、とてもロマンチックだ。『恋人までの距離(ディスタンス)』という映画がある。これはヨーロッパを旅行中のアメリカ人男性とパリのソルボンヌの学生である女性が、列車で出会い意気投合し、アメリカ帰国の飛行機に乗るまでの一晩を、夜通し歩きながら語り明かして過ごすという、とてもしゃれた映画だ。ふたりが途中下車して過ごしたのがウィーン。夜のプラーター遊園地でのデートもすてきだった。大人も楽しく遊べて、童心に戻りながらもロマンチックな気持ちに浸れる素敵な遊園地。入園料無料。ウィーンの夏の夜は絶対すてきだろうなあ。芝生の木陰に座って、しばらくうっとりしていた。

疲れたのでお宿でゆっくりウィーンの大道芸人
プラーター駅でグミキャンティの量り売りがあったので、仕入れる。優しそうな女性店員が、特別よとおまけしてくれた。グミをモグモグやりながらシュテファン寺院あたりへ。シュテファン寺院も改築中だ。今回の旅は観光名所の本格的な改築が実に多い。観光の夏のトップシーズンの前であり、2000年祭に向けての準備でもあるのだろう。夜に肌寒くなった時のために、マークス&スペンサーでカーディガンを買う。しかしこれは旅行中着ることはなく、自宅でもタンスの肥やしになっている。通りでは大道芸人がバイオリンを弾いている。ぜんまいじかけのように少し演奏してはひゅるるる〜と力尽きる。誰かがチップを払うとシャキっと背筋を伸ばして再びキューキューと弾き始める。
オペラ座を通る。鼻歌の男性とすれ違う。これが本格的なオペラの発声だった。たぶんウィーンで音楽を専攻している学生だろう。ウィーンの街はゆったりした時間の流れの中で、そこかしこに音楽があふれている。まるでちょっと眠たいようなウィーナー・ワルツの調べのようだ。この街にいると、とてもくつろいだ気持ちになれた。
思ったよりも身体が疲れているので、早めにホテルの部屋に戻り、休養することにする。宿の近くのスーパーマーケットでガス入りミネラルとポテトチップを買う。部屋でポテチをパリパリやりながら洗濯する。テレビをつけると、イタリア語の番組が。イタリア人の陽気な人懐っこさがちょっと恋しいなあ。スペイン人も温かかったなあ・・・。ちょっとだけ淋しくなってきた。明日は朝いちでヴェルベデーレ宮殿内のオーストリアギャラリーに行ってクリムトの絵を見よう。そして、ザルツブルグに移動しよう。あさっては映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台をめぐるツアーに参加したいな。窓の外に目をやると、アパートのベランダに椅子を出して、白ワインを飲みながらくつろいでいる男性がいた。「ごはんよー」と呼ばれて部屋の中に消えていった。


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