5/19(水) パリ→ニース
TGVに乗るのだ!
疲れすぎてクタクタだったけど、ホテルに一人で泊まるのも初めてという私。目覚まし代わりに持ってきた腕時計「G-SHOCK」のアラームが鳴らなかったらどうしよう、と思うだけでも緊張し、2時間おきに目が覚める。4時には完全に起きてしまった。それでも疲れは案外取れていた。
今日はフランスが誇る新幹線、世界一高速のTGVに乗って南仏ニースに行くのだ!1ヶ月間西欧の国鉄(イギリスは使用不可)が乗り放題のパス「ユーレイル・パス」を購入してきている。今日のTGVは座席指定が必要なので、日本で予約済。ユーレイル・パスは26歳以上は1等料金である。余裕で越えている私。でも、日本のJRに比べたらヨーロッパの鉄道料金は安いもんです。1等なんてリッチだな。ウキウキ。荷物の整理をし、一日の行動予定をメモる(心配性。地下鉄の乗り換えがあるからね)。ホテルは朝食がついているので、おそるおそる食堂に向かう。パリパリのバゲットとカフェオレというコンチネンタル・スタイルだが、さすが美味しい!周りは私と同じような、いろんな国の旅行者たち。東洋人のムスメっこが一人で食事するのは変かなあと心配していたけど、ひとりでもくもくとパンをかじっている人がいっぱい。私もお仲間なんだ・・・。
リヨン駅は、おお、にぎやか!カフェやスナックもいっぱい並んでいる。ユーレイル・パスは、最初に使用する駅でバリデーション・スタンプを押してもらうのが決まり。「あのっ、あのっ、コレ・・・」とパスとパスポートを差し出せば、ハイよっとポンポンっとスタンプ押して完了。さあ、これで鉄道の旅のはじまりだ。スナックで小さな青リンゴとボルビックを買って乗り込む。一等車輌は、『ミッション・インポッシブル』に出たTGVそのもの!ビジネスマンや、コートダジュールのバカンスを楽しむ老夫婦が乗っている。ホームでは乗客の家族が「ボンボヤージュ(よい旅を!)」とキスして見送っている。いいな、ああいうの。
11:18、リヨン駅を出発したら、10分ほどで田園風景が広がる。小さなオレンジ色の屋根の農家がぽつりぽつり。曲がりくねった小さな小川、草をはむ馬。小さな黄色い花が咲く景色がずっと続く。なんて可愛いんだろう。葉祥明の絵のよう。私の心にの中に、ドビッシーのクラシック名曲「亜麻色の髪の乙女」が流れている。そうだ、フランスって農業国なんだよね・・・。この先6時間半の楽しい鉄道の旅。
それにしてもさすがTGVは速いのなんの!ビュンビュンぶっとばすなんてもんではない。時速300キロってところか?『ミッション・インポッシブル』ではトム・クルーズとジョン・ヴォイトがTGVの車輌の上で格闘し、それをジャン・レノがヘリコプターで追っかけていた。とんでもない話です。死ぬぞマジで!(トム以外は死んだ)
緑が濃くなってきた。空が青くなってきた。プロヴァンス地方に入り、やがて山肌に切り立った石灰岩がのぞき始める。コート・ダ・ジュールに近づいているからかな?地中海のギリシャの景色にも通じているのかもしれない(知らないけど)。
17:46ニース到着。まずは駅で、バルセロナ行きのクシェット(簡易寝台)を予約する。乗車日、列車番号、行き先等をあらかじめメモ書きしたのを渡せば、言葉が通じなくてもよく伝わり、予約がスムーズで駅員さんにも喜ばれます。ということで、無事にバルセロナ行きを確保。さあ、ニースを拠点に2泊して、カンヌやモナコに行くのです。

小心者 IN ニースのユース
ニースの街は、思っていた以上に栄えている。にぎやか!パリの持つハイセンスはないが、南方の開放的なこじゃれ方と言おうか・・。日差しも強く、女性の肌の露出も多いです。
さて、今日と明日の宿は、日本のユースホステル協会であらかじめ予約しておいた、「モン・アルバン」です。ユースホステルというのは、たいがい不便な場所にある場合が多く、モン・アルバンも国鉄駅からずいぶん離れたバス停から20分ほどバスに乗るらしい。便が少なく最終も早いらしいので、あわててバス停に急ぐ。エンエン30分、コロをひっぱって歩く。バス乗り場はわかったが、時刻表が読めない。とりあえず待つ。待てどもバスは来ない。30分待っても来ない。このバス停でいいのかなあ・・・。少年がひまつぶしに話し掛けてくるが、彼は英語ができないので会話不成立。だんだん心細くなる。「帰りたいよう・・・」つい独りごとが・・・。
だんだんバス停にバックパッカーが集まってくる。きっとユースの宿泊者だ!ほどなくバスが来る。山の中腹にあるモン・アルバンは、黄色い壁の可愛い外観。ユースホステルは初めてだけど、「少年自然の家」みたいなものかと思いきや、意外と可愛いんだね。スタッフの人もわかりやすい英語で対応してくれる。部屋は2階の右ですよーって言われたのに左に行ってしまい、男子の部屋コーナーをさ迷う。着替え中の青年の「オー、ノーゥ!」という声が背後に聞こえた・・・。
部屋は10人部屋。ベッドは木製の2段ベッド。まるで長崎のキリスト教系の女子校で過ごした寮にそっくり!懐かしい青春が突然戻ってきたみたいで、嬉しさのあまりクラクラとめまいがする。
同室の人たちはまだ帰ってきていないようだ。ここで私はふたたび悩みモードにおちいる。私ユースのことなんてまるで知らないまま来ちゃったけど、こういう所は若くて旅慣れてる連中が情報交換をしながら楽しく過ごすんだよ。何か特別なしきたりがあるのかもしれない。ちょっとスエた臭いのするベッドでちんまり座ってビクビクしている私。じっとしているのも心細いので、とりあえず食堂に行ってみる。このユースは自炊OKなのだが、おそるおそる覗いたら、和気あいあいと料理をしている泊り客。ラタトゥイユの匂いがする。
何だか落ち込んでしまい、ただでさえ「暗い」と言われる東洋人が、さらに暗くなる。部屋の人との挨拶も出遅れてしまい、イギリスの女の子なんか完全に私をいないものとしている感じ。ドイツ人の女の子はフレンドリーでいい感じ。「こんどはイタリア抜きで戦争しようぜ」とドイツ人と冗談を交わした・・・と誰かが言ってたっけ。シャレにならないつまらないことを思い出しながら共同シャワーをあびてさっさと床につく。深夜ベルギー人家族がドカドカやってて起きたが、ぐっすり眠る。

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