最終章:ONEさん編



 午前二時。このような草木も眠る丑三つ時に起きているとい
う事は、雑草以下の人生なのかと世の不条理を思ったりした。
などと、どうでもいい事を考えたりするのは、眠くなってきて
いる証拠。流石にもう寝ましょうかという話になった。
 現在8月下旬。クーラー付けっぱなしとは言え、布団に入る
と暑い。タオルを引っ張り出してきて、ONEさんと二人で寝
っ転がる事にした訳なのだが、



何故一つのタオルで寝る?



 客観的に言うと、同じタオルケットを引っ被って寝る、とい
うだけの話なのではある。が、私にしてみれば、こいつぁ大ピ
ンチ。
 何でかというと、相手はONEさんだから、と言うより他は
ない。男女問わず声を掛ける事のできる、剛の者だ。私もGO
Oチェス(現Jgame)に入りたての頃は、あの男色の悪魔
によく声を掛けられたものだ・・・。今も掛けてくるけども・
・・。ちなみに男色について知らない方は、知らないままで構
わない。これはONEさんが生きる世界の話だから・・・。

 そんなONEさんが「一緒に寝ようね♪」などと言う。危機
感を覚えないほうがおかしい。少々離れて寝ようかとも思った
が、クーラー利いてて、それは寒い。でもタオルは一枚しかな
い。
 色々迷いながら、ふとONEさんのほうを見る。と、本人は
とっくにすやすやと眠っている。北国住まいは伊達ではない。
人の気も知らないで・・・。と言うか、眠るの早いな・・・。
流石はONEさん、どこでも眠れる人だ。○○○○を連れ込ん
だ実力は半端ではない。
 しかしまぁ、こっちにしてみれば大人しく寝てもらった方が
助かるというのも、また事実。狸寝入りでもなさそうだし、後
はこっちが早く目覚めれば、問題なしだ。よし、寝よ。

 という訳で、勇気を出してONEさんと同じタオル内で眠る
事にした。と言っても、タオルの片隅にちょこんと入っている
だけなので、ONEさんに寝返りを打たれると、すぐに取れて
しまう。もちろんそのつど入り直す訳なのだが、寝返りによっ
てタオルはどんどんONEさんに体に巻きついていき、そのつ
どONEさんに近寄る羽目になった。左右に寝返り打つばかり
か、上下にも動くので大変だ。どんな夢見てんだ。寝ても覚め
ても傍迷惑さんである。

 30分程そんなやり取りが続き、ONEさんの動きが止まっ
た。どうやら深い眠りに入ったらしい。ようやくゆっくり眠れ
る。すぐにまたレム睡眠に戻りそうな気もするが、考えない事
にした。今のうちにベランダにでも吊るして置くのが最良の策
かとも思われるが、凍え死にされても寝覚めが悪いので、止め
た。夏だから大丈夫かもしれないが、暑さで目覚められても困
るので、止めた。
 などと、不毛なことを考えている内に、睡魔が押し寄せてき
た。今日は本当に疲れたよ。近年稀に見る疲れ具合だ。ONE
さん、お休みなさい。夢の中でくらい、良い思いしてください
ね・・・。

C:「眠い・・・」
O:「zzz・・・」
C:「むにゃむにゃ・・・」
O:「zzz・・・」
C:「・・・・・・」
O:「zzz・・・」

 だんだん・・・眠りの世界に・・・落ちて・・・。



 だんだん・・・眠り・・・。



 だんだん・・・。



C:「はぼぉぉぉうっ!!!」



 何だ何だ何だぁ!? 何が起きた!!? 急に脇腹と背中に
鈍い痛みがぁぁぁっ!!!
 ふと見ると・・・二つの膝小僧が、痛みの発生源に鎮座して
おります。その持ち主は・・・・・・やはり貴様か!! どう
やらONEさんが寝返りをかましてくれたらしい。ダブル・ニ
ー・プレスかい!! 足技だか寝技だか分からんわ!!!
 しかし・・・これを頭に喰らっていたらと思うと、マジでぞ
っとする。もし喰らっていたら、目とか鼻とか口とか耳とかか
ら、変なもの出してたかもしれない。死因は寝返り、とっても
ヤだ。

 流石にアレを2度喰らうのは勘弁なので、タオルから出る。
どっち道、今の寝返りで完全にONEさんの体に巻きついてい
るわけなのでは有るが。
 それにしても此奴、どうしてくれよう。個人的にはベランダ
からロープレス・バンジーか、または地味にトイレで溺死させ
るという手を選択したい処なのだが・・・どちらもONEさん
に近づかなくてはならない。が、下手に触ろう物ならば、今度
はどこに何を喰らうか判らない。

 という訳で、この怒りはコンニャロ様が起きてからぶつける
事にした。もういい、寝る。タオル掛けないで、寝る。とても
寒いけれども、寝る。
 ・・・ホントに寒い。やはりタオルだけでも剥ぎ取るべきか
・・・? でも起きてこられても困るしな・・・。やっぱ大人
しく寝るしかないな、うん。こうして色々諦めながら、大人に
なって行くんだなぁ・・・。

C:「眠い・・・」
O:「くーくー・・・」



寝息がくーくーうるさい!



C:「むにゃむにゃ・・・」
O:「ぐごーぐごー・・・」



鼾がぐごぐごウルサイ!!



C:「・・・・・・」
O:「キリキリキリ・・・」



歯軋りがキリキリ煩い!!!



C:「五月蠅いなぁ・・・」
O:「うーん・・・**ちゃん・・・」



寝言が・・・・・・!
・・・・・・スマン、流石に書けねぇ。

 ・・・この人見てたら、いつまで経っても眠れんわ! 視覚
聴覚をシャットダウンし、眠りに専念。

C:「眠い・・・」
O:「zzz・・・」
C:「むにゃむにゃ・・・」
O:「zzz・・・」
C:「・・・・・・」
O:「zzz・・・」
C:「zzz・・・」
O:「zzz・・・」

 ・・・5時間後の午前8時、カフェ起床。傍らのONEさん
は、いまだに眠れる森の王子様。暇な事この上ないので、傍ら
のチェスの本を読む。
 ・・・2冊読破する。が、王子様は、一向に目覚める気配な
し。まぁ寝てから5〜6時間しか経っていないし、当たり前と
言えば当たり前か・・・。私ももう一眠りするかな。

C:「眠い・・・」
O:「zzz・・・」
C:「むにゃむにゃ・・・」
O:「zzz・・・」
C:「・・・・・・」
O:「zzz・・・」
C:「zzz・・・」
O:「zzz・・・」

PiPiPiPiPiPiPiPiPi!!!



 
誰だ携帯鳴らしてんのは!!



O:「・・・・・・(←何も言わずに起き上がる)」
C:「・・・おはようございます」
O:「ん・・・」
C:「・・・・・・」
O:「・・・はい、もしもし・・・」



 
やはり貴様か!!



 そんな訳で眠りをすっ飛ばしてくれたONEさん。厳密に言
うと、掛けてきた相手が睡眠を妨げている訳では有るが。マナ
ーモードにしておいてください。
 
O:「・・・(←電話終了)」
C:「・・・」
O:「・・・(←タオルを被る)」
C:「・・・・・・」
O:「zzz・・・」



 
寝るの早ッ!!



 ・・・私も、もう一眠りしよっと。暇だし。

 ・・・4時間後の午前12時、起床。昨日戴いた北海道名物
『カツゲン』を飲みながら、今後の予定を立てる。とは言って
もONEさんは、残り数時間の身。東京滞在時間が。
 よって大した事はできない。結局シルクさん、ONEさん、
カフェの3人で昨日のファミレスに行く事にした。
 ホットケーキを食べながら、SHUさんの名ゼリフの話題に
(シルクさんが)花を咲かせたり、『誰が代打ちの件を告げる
のか!?』という事なども(シルクさん中心で)討論したり、
『様子を見よう!』ということで(シルクさんが)落ち着いた
り、(ONEさんが)お子様ランチを強く勧めてきたが黙殺し
たりした。その間も、刻一刻とお別れの時が近づいていく。

 そんな泡沫の時は終わりを告げて、午後3時、ONEさんが
北海道へ帰る時間である。空港まで足が無いため、大通りでタ
クシーを捕まえる事にしているようだ。「タクシー乗るまで、
見送りしてね♪」などと言っているが、元よりその心算だ。私
が帰るとき、家までストーキングされては困る。きっちりタク
シーに押し込み、去り行くのを見届けなくてはならない。3人
で大通りまで出る。
 意外とタクシーはすぐ捕まり、いよいよ涙のお別れタイム。
「また来るからね。その時はよろしく」と告げ、とうとう帰っ
てしまったONEさん。二人で見届けた後、私もシルクさんに
別れを告げて、電車で帰宅する事にした。

 『・・・・・・色々と辛い事(特に睡眠時)もありはしたも
のの、まぁ楽しかったと言っても差し支えは無いかなー』とか
思ったりしながら、電車に揺られ、一人帰宅。『そうだ、この
事をレポートのネタにしよっ』とか思ったりしながら、電車を
乗り換え、一人帰宅。『また来るからね。その時はよろしく・
・・・・・か』とか思ったりしながら、電車をに揺られ、一人
帰宅。

 ・・・・・・・・・。



 ・・・・・・。



 ・・・。



また来るんかい!!?



 こんな感じで、私ら雪一族の夏は終わりを告げていくのであ
った。
 めでたくもあり、めでたくないのもまた然り。



                        〜完〜





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