| 第4章:電車→自由ヶ丘2編 |
洗礼も厳かに終了し、チェスセンターを後にする我々。ダラ ダラと駅に向かいつつ、今後の対策を練る。とりあえずビリヤ ードをしよう、という事で話がまとまったので、自由ヶ丘に引 き返すことにした。 そんな帰り際の電車内、ONEさんが何やら携帯をいじくっ ている。送っているのか、送られてきたのか判らないが、どう やらメールらしい。黙っているのも何なので、ついついいつも の調子で聞いてしまった。この選択肢を選んだことを数分後に 後悔する事になろうとは、流石のカフェさんも気付いていなか った。 C:「メールですか?」 O:「うん。そうだよ」 C:「また、変なメールばかりなんでしょう?」 O:「ハハ、そんなことないよ」 C:「ほほう。どれどれ」 O:「えーと・・・あ、これはダメ」 C:「・・・」 O:「うーん・・・これもダメ」 C:「・・・・・・」 O:「これもちょっとヤバいなぁ・・・」 C:「・・・・・・・・・」 車内の温度が数度下がるのを確認。ヤバ気なメールが大満載 、一体あなたはいくつ球種があるのですか!? ここに来て、ようやく先程の発言の真意が解ったような気が した。 「やっぱりカフェさんは、中身もカフェさんだね」 の一言。あの深い深い意味を内包した発言の意味を、理解して しまったのだ。届くだろうか、私のこの、声にならない心の中 だけの呟きが。ONEさん・・・・・・、 「やっぱりONEさんは、 中身もONEさんですね」 少し優しい気分になった私は、今暫くの間、赤の他人を演ず る事にした。 優しい気分で居るうちに、いつしか自由ヶ丘に戻ってきた雪 一族。その辺のビリヤード場に入る。とりあえず私はルールを 知っている程度で初心者に近いことだし、ONEさんはそれな りの腕前。上級者が多少の手加減をしてくれても、バチは当た らないであろう。しようがしまいが、当たりそうな気もするが 。 麦茶を受け取りつつ、試合開始。一応一発逆転も可能な9ボ ールである。手加減のお蔭か、一進一退の攻防が続く。対戦結 果が4勝3敗を記録した頃、『どちらかが5勝目を挙げたら試 合終了』とのルールが可決された。 それはつまり私は後1勝するか、ONEさんが2連勝すれば 終了であるため、プレッシャーから考えても私が圧倒的有利。 ここに来て、眼鏡をコンタクトに変えたりと、かなり本気モー ドのONEさん。一方私はコンタクト持っていなかったので、 装備はそのまま。 その結果。私のショットによって、不規則な動きをしつつも 、9番はコーナーポケットへ。カフェさん勝利。本気モードの ONEさんは、虚しく散ってしまった。本人は儚さを演出して いるつもりらしいが、客観的に見れば只のオマヌケさんである としか言いようが無い。合掌。 料金敗者持ちのビリヤードも終了し、外にでる。さてこれか らどうしましょう? といった矢先、ONEさんが何やら電話 を始める。私が近づくと離れる、遠のくと寄ってくるを繰り返 し、一定の距離を保っている。どうやら会話の中身を聞かれた くないようだ。まぁONEさんのそういった行動は別に不思議 でもないので、しばし放っておく事にした。 とは言え、別に会話の内容に興味は無いのだが、たまにチラ チラとこちらを見るONEさんが気に掛かる。その視線は近づ く私を警戒している視線でなく、何やら一計を案じている視線 である。私に関して何か企んでいるのか・・・? 電話の相手 は一体誰なのだ? 急速に膨らむ疑惑。今すぐ問いただしたいところだが、ここ はしばし様子を見るしかない・・・。聞いて素直に答える相手 でもないし。それに実際のところ、私の知り合いと電話してい る可能性はかなり薄い。ONEさんと私の共通点など、チェス 以外全くない。第一お互い初対面だし。 しかし、この楽観視が後にとんでもない事態へと発展しよう とは、ONEさんと電話の相手だけが知っていることであった 。 |