第7章:シルクさん宅編



 数分後、『このメンバーってイマイチ良く分からないなー』
とか思っている内に、一軒のマンションへ。どうやらシルクさ
んのお宅らしい。ええ所に住んでます。肖りたい。
 NHKの集金人らしきおじちゃんの横をすり抜けて、上へ。
シルクさん宅へ通される。ネット上の知り合いの家に通される
のは初めての経験なので、ちょっとドキドキ。が、ONEさん
は勝手知ったる他人の家と言わんばかりに、ズカズカと上がっ
ていく。そんなONEさんに呆れつつも、人様の家なので、O
NEさんと自分の靴を揃えたりした。きっとあのお方はそんな
ことに気付いちゃいないんだろうけど・・・。大人ってこんな
もんなんだろうか。
 さらにリビングに通されてからも、ONEさんはまるで自分
の家のような寛ぎっぷり。その辺のことを訊ねてみると、何や
ら渋い顔をされた。どうやら聞いてはいけない質問だったらし
い。一応理由を聞きだしはしたものの、ここでは理由を書けま
せん。怒られるから。

 その後、先ほどファミレスで紹介されたシルクさん保有のコ
ンピュータ・チェスにお目見えする。正式名称は忘れた。レベ
ル調節ができ、光で駒の位置を教えて云々というシロモノであ
る。こっちのは勿論、相手(コンピュータ)のも自分で動かす
必要がある。GNUチェス(PCのチェスソフト)でいいじゃ
ん・・・とか思ったりもしたが、一応言葉を飲み込んだ。
 試合をさせてもらえることになった。コチラは当然自分で動
かす訳だが、相手側も自分で動かすのは、面倒くさいし雰囲気
が出ない・・・。とか思っていると、ONEさんがやってくれ
る事に。この辺のソツの無さ気配りは、ONEさん特有のもの
であろう。
 ONEさんは、高レベルでやったところボロ負けしたような
ので、私はとりあえずレベル最低、思考速度最速でやってみる
ことにした。なぜONEさんがやったことあるかについて訊ね
てみると、何やら渋い顔をされた。どうやら聞いてはいけない
質問だったらしい。以下略。
 流石にレベルが低いこともあり、目先の事しか見ていないよ
うな感じだ。その辺に希望を託して進めたところ、何とか勝利
する。調子に乗って、思考速度を最大にしてやってみた。が、
遅い遅い。一手に3分も掛けてくる。基本的に気が短いカフェ
さん。10手で挫折、やめることにした。

 一息入れる。入れるのは良しとしても、シルクさん宅の冷蔵
庫をさも当然のように開け、中からジュースを取り出すONE
さん。なぜONEさんのジュースが冷蔵庫にあるかと訊ねてみ
ると・・・・・・以下略。
 さも当然のようにコップを取り出し、私及びシルクさんにジ
ュースを振舞うONEさん。その後もお菓子を出したり、部屋
の片付けをしているONEさん。私は初めて見ましたよ、



ヒモってのを。



ヒモについて知らない方は、知らないままで構わない。これは
ONEさんが生きる世界の話だから・・・。

 とかやっているうちに、インターホンが鳴り響く。先ほど下
にいた、集金のおじちゃんらしい。そこで私とONEさん、シ
ルクさんを見ると、渦中の人物はさも当然のように、



居留守。



・・・まぁ払わなくても、罰則規定もありませんし、いいです
けどね・・・。ただ客が居る時ぐらい、良い所を見せておいた
方がいいんじゃないかなぁ・・・。ちなみにいつもシカト決め
込んでいるらしいが、本編とは関係ないので、省略させていた
だく。

 そんな正直者のシルクさんの勧めに従って、AOLのチェス
サイトに行ってみた。シルクさんの修行の場であり、基本言語
は英語とのこと。しかし英語に関してはニワトリ並みの私とO
NEさんにすれば、全くもってノー・サンキューである。こん
なところで修行なんぞ出来ない。とか言う以前に、英語の修行
が必要だ。それにサイトが変われば、駒の動かし方も変わるの
で動かしにくい事この上ない。
 その辺の事情をシルクさんに伝えると、駒はシルクさんが動
かしてくれるとのこと。一石二鳥のその案に甘えさせていただ
き、シルクさんの名前をお借りして始めることになった。シル
クさんのAOLレートは1400強。私のヤフーレートと同じ
くらいである。

 なのにシルクさんたら、レート1700強の人が待つ所に。
イヤ、ちょっと待って。冷静になって。まずは肩慣らしから始
めませんかね。いきなりそんな外人さんに、勝てるわけ無いじ
ゃないか・・・。なのにシルクさんたら、「レート差が有るか
ら、相手にしてくれないかも」とか仰りつつ、ヤル気満々。イ
ヤ、やるのは私なんでしょうが・・・。
 説得は無理と判断した私は、助け舟を出してもらおうと、O
NEさんの方を振り返る。なのにONEさんたら、またもやメ
ールチェックでもしているのか、我関せずと言わんばかりに携
帯をカチャカチャと動かしている。全くもって役に立たない男
だ。女性のためにしか働かんのか!

 こうなったら、腹を括る。元々修行のつもりなのだ。相手が
強いほうが都合が良い。それに負けてもシルクさんのレートが
減るだけだし。そもそも負けても罰が有るわけでもなし。
 というわけで、適当に挨拶をして(シルクさんにしてもらっ
て)試合開始。レート差が有るせいか、相手はかなり油断して
いる模様。その油断と、外人さんはナイトを大事にする傾向が
有るという点を突き、勝利を収めた。お見事カフェさん。
 試合後の挨拶。(シルクさんが)ありがとうございましたと
か打っていると、相手がこう言ってきた。



まぁ、よくがんばったね(シルクさん訳)



・・・・・・ちょっと、マテ。

 あんた負けたんでしょうが!!何で勝者の私が、労いの言葉
を掛けられにゃならんのだ!?
 シルクさん曰く、レートの違いから来る発言らしいが・・・
もっと別の言い方があるだろう・・・。と言うかシルクさん、
もっと他の訳し方があるでしょう・・・。とか言う以前に、そ
んなこと知らせなくて結構ですから・・・。
 
 しかし今回といいチェスセンターの時といい、相手の弱点を
突く戦略ばかり採っているような気がする。あまり気付きたく
ない自分に気付いてしまった。住む世界が違う人間が傍にいる
と、新しい世界が見えてくるものなのであろうか。ONEさん
が傍にいるだけで、毎分毎秒が世界不思議発見。もとい、不思
議世界発見か。

 そんな世界を発見しつつも、更に未知なる世界を開拓するた
め、3人の雪一族はハンゲームへと旅立っていった。さり気に
ONEさんの出番が減ってきている事については、まぁ多分・
・・・・・気のせいであろう。





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